臨床研修病院群プロジェクト 一般社団法人 群星沖縄臨床研修センター

ごあいさつ

全国の医学生の皆さまへ

群星沖縄臨床研修センター長
徳田 安春

群星沖縄臨床研修センターの徳田安春です。宮城征四郎先生(現名誉センター長)よりバトンを引き継いで平成29年度からセンター長をやらせていただいています。

当センターは、救急とプライマリケア診療が日本の中で最も充実している「教育に熱い」沖縄において、初期研修プログラムをさらに充実させるためにできた、民間教育病院アライアンスのプロジェクトです。

毎月2回ずつ各病院においておこなわれる研修医中心のセンター長教育回診では私も共に勉強しています。その際にフィジカル所見の取り方について直接指導を行っています。

群星と正式に提携したミシガン大学医学部から、サンジェイ・セイント教授などの世界的な有名指導医やチーフレジデントクラスの若手医師が定期的に招聘されて教育回診を行い、研修医教育に貢献しています。
希望する研修医は、ミシガン大学の見学や共同研究に参加することもできます。

群星沖縄の教育病院群での研修医は、指導医やシニアレジデント、先輩研修医からの熱心な屋根瓦式指導を受けます。適切な指導のもとで研修医が経験する症例は圧倒的に多く、将来医師になる上の重要な基礎作りに役に立ちます。

これまで修了した研修医には、沖縄や日本各地だけでなく、欧米やアジアも含む世界各地の医療に貢献しています。米国レジデントやフェローシップに進んだ医師、国内外のパブリックヘルス系大学院への進学者、あるいは厚生労働省の感染症危機管理フェロー医師なども輩出しています。

多数の教育病院アライアンスによるスケールメリットにより、研修医はそれぞれの希望に応じてカスタマイズし充実したローテーションで研修します。
また、オリエンテーション、各種セミナーや勉強会、楽しい忘年会などもあり、みんなで協力しながら楽しく研修して基本的臨床能力を身に付けることができます。

全国の医学生の皆さんの群星沖縄への研修参加をお待ちしています。

<開設時>群星沖縄臨床研修センター長
宮城 征四郎(元沖縄県立中部病院長)

臨床研修必修化元年の今年、難関だったと言われる医師国家試験を無事クリアーした若き新人医師達の初期臨床研修がいよいよ「群星沖縄」研修プロジェクトでも幕を切って落とされた。

本プロジェクトでは新人研修医数47人によるスタートである。

平成16年5月4〜5日の2日にわたり、全病院合同オリエンテーションを開催し、最後の日の夕刻、ホテルの大広間を借り切って新人医師達と各病院のスタッフ、医師会や沖縄県内の他の研修プロジェクトの関係者をお招きしての大交流会を成功裡に終える事が出来た。

特に合同オリエンテーションで力説された事は群星沖縄 のコンセプト、医療に求められる患者の視点、コメディカルの視点からの研修医の姿勢、コミュニケーションの在り方、研修医の健康管理、日米医学交流などである。医療の基本に忠実であることの重要性や大都会の大病院でしか通用しない医師の育ち方への戒めもまた、強調された。すなわち、本プロジェクトで育つ医師は将来的には一人の医師として、単に大都会の大病院のみでなく、辺鄙な医療過疎の地でも自信を持って医療に従事出来る真に国民のニーズに応えうる医療人に育って欲しいとの願いである。  

群星プロジェクト研修は選択科目については20病院群中のいずこを選ぶも自由であり、研修医に選ばれる病院に成長すべくお互いの競争、摂差琢磨を余儀なくされる。
そこが本プロジェクトの一つの売りともなっており、各々の病院で育つ医師の臨床家としての力量の比較がまた、楽しみの一つである。

本プロジェクトは、文字どおり今年が臨床研修開始元年であり、心を引き締めて関係者一同、力を合わせて総力を傾注する所存である。

そのためには昨年から既に開始され定着している月1回の指導医講習会、プロジェクト内での月2回の研修委員長会議、2ケ月1回の理事長・院長会議、各病院における研修医相手のセンター長教育回診などなどの行事に加えて、今年度から実施しているピッツバーグ大学医学部での各種のセミナーへの指導医ならびに研修医の参加などをフル回転して精励、努力したいと念じている。

指導医は”What to teach and How?”に意を用い、研修医は”What to learn and How?”を認識しつつ、お互いが研修を通じて日々、向上しあって行く事が本プロジェクトのモットーである。

より良き明日の臨床家を目指す志の高い多くの若き医学徒たちが、このプロジェクトに参加して共に理想を求め、前進して頂ければ望外の喜びである。

<開設時>群星沖縄臨床研修センター長
宮城 征四郎(元沖縄県立中部病院長)

沖縄県が過去35年にわたり、ハワイ大学医学部とタイアップして推進して来た卒後臨床研修事業は沖縄県立中部病院で全国にその名を知られる一大研修プロジェクトとして既に定着し、数々の実績を上げて来た。

平成16年から発足する臨床研修必修化の動きの中でその存在はつとに取り沙汰され、研修医を始めこの分野に携わる多くの指導者達の耳目を集めて来た。

此所、数年の間に、しかし、本県では琉球大学医学部、県立中部病院以外にも厚労省により立て続けに9つの総合病院が臨床研修指定を受け、既に臨床研修を開始していることも事実である。

残念ながら、どの新規研修病院もその歴史は浅く、研修実績にも乏しいこともあって、必ずしも数多くの研修医の応募が得られず、受け入れにかなり苦慮している面もあり、また、科ごとに得手不得手があるなど指導上の力量の面でも凸凹があると言う現実がある。

予定されているマッチングシステムの導入などにより、臨床研修指定病院そのものが医学生から自由に選択される時代が到来し、研修医獲得「競争」が激しくなる。

病院の質、研修の質が評価され問われ、新たな段階の医師養成への挑戦が求められる。

臨床研修指定病院だからといって必ずしも選ばれる時代ではなく、新しい制度に乗る形だけのプログラムの立ち上げでは時代に遅れてしまう。

そこで一研修病院単独では研修医の期待に応え得る力量に乏しくとも、幾つかの病院が群を構成してお互いの弱点を補い、研修医本位にプログラムを構築する事により、より良い教育環境を提供する可能性が模索され、各病院院長並びに研修委員長が集い、衆知を集めて発想されたのがこの病院群「群星(むりぶし)沖縄」構想である。

以下のConceptに示されている通り、沖縄、ひいては日本の将来の地域医療を担う医師の養成を唯一最大の使命とし、各参加病院・指導医がより良い医師を育てるという一点で5管理型病院、7協力型病院、2協力施設が協力し、互いに交流し切磋琢磨する中で全体の臨床教育のレベルアップを図る。 他府県に類例の無い、沖縄ならではのユニークな構想と言える。

地域に貢献する優れた医師の養成は沖縄県民の切実な願いであり、社会的に意義のある公共性の強いプロジェクトであると考える。

病院間の協力と交流を密にし、切磋琢磨する中で指導医の教育技法の向上など教育者としての指導医の養成にとりくむ。

病院群・研修委員長会議に集う関係者は、いずれもより良き臨床医を育てることに情熱と夢をもっており、これこそが何よりも重要であり今後の力量の向上に資するものである。

「臨床研修病院群プロジェクト群星(むりぶし)沖縄」の立ち上げには、そのような観点から大きな意義が有るものと考える。

本年3月末日をもって中部病院を退職した私、宮城が此の群星(むりぶし)プロジェクトリーダー兼研修センター長として4月1日から就任し、病院群全職員の英知を結集してより良い研修プログラムを目指し微力を注ぎたいと念じている。

此処に群星(むりぶし)プロジェクトのホームページを立ち上げ、広く関係各位に情報を公開する次第である。